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一発OKなときもある。

とある静かな土曜日の朝11:00頃のオフィスに、某研究所の方から電話が入る。
ご用件は……ご自身の研究された成果を総務省で発表したいから相談に乗ってもらえないか?とのこと。電話から推測するとカルク出来そうな感じでしたし、ナニよりお急ぎのようでしたので、翌々日の月曜日朝一でアポイントをいただきました。

当然ながらお伺いするには、ある程度の予習は必須です。
ところが、電話でお聞きした断片的な専門用語と、お電話いただいた方の会社名と苗字しかわかりません。
ネットで検索しても、これから発表する研究なわけですから出てくるはずありません。とはいえ、ベースになっている考えとかだけでも仕入れてゆかないことには、子供のつかいになってしまう…おまけに名古屋まで行って空振りもキツイ。

とりあえず大型書店に行って探すしかナイ!
関連しそうな書架を探しても見当たらない。もっとシブイ書店を選択すればよかったのか??
案ずるより産むが易し、書店員さんに検索してもらうとスンナリ発見。
但し、今は倉庫にあって、急いで取り寄せれば翌日の日曜日夕方には書店に着けられますが…。スグに予約して、翌日の夕方に購入することに。
とはいえ、本が到着するまでに少しでも学習しておきたい。
さっきの書店員さんに「関連する書籍はありませんか?」と尋ねると、2冊の本を出してくれた。
親切な書店員さん。
ありがとう。

早速、パラパラと眺めてみると…お目にかかったことの無い記号さんたちが不規則に集まってらっしゃるページや、どこかですれ違ったときにご挨拶だけさせていただいたような気がする数字の配列さんたちに出くわしたのです。
これは私たちのような者が拝読させていただけるような代物ではないので、そっと閉じて丁重にお返し申し上げました。
それにしても、本を出してくれた書店員さんはナニモノ?!

翌日、本が到着。ファッション誌ふうのサイズにホッとしながらも、価格はズッシリ。

ファッション誌ふうだから、ナナメ読みすれば一通りアタマに入るだろうし、一つのテーマについて複数の人が論じているだけだからドーッテコトないだろうなと思いながら、スグ近くの喫茶店でパラパラっとめくってみると…お電話いただいた方の論文が見つかりましたー!
でも、馴れないせいか全然アタマに入ってきません。全体のイメージはできても、パートごとの理解が進まない。記号さんたちを飛ばし読みしているせいか……?
意地になって何度も読みなおしているとトランス状態に到達。ランニングハイなみに気分が高揚してくる。
ハイな気分のまま、ナンとなーく理解できたような気分になり、少しだけ落ち着く。書斎でくつろぐ学者風にコーヒーの香りを鼻で吸い込みながらヒトクチ。

落ち着きを取り戻したところで、他に掲載されている論文も参考程度に眺めておこうかなーと思って読み始めてみると…同じ研究内容についてアプローチの異なった内容が書いてある。ディテールが違うとかナンとかいった次元ではなく、そもそもの言い分が違っている。…まさに目がテン。
舐めてかかったら…痛い目にあう実感をジックリ味わう。

しかも、産学協同研究らしく共同で行っている実験を「産」「学」「公」別々に10くらいの立場で書いてある。さらに、それぞれ少しだけ~やんわりと他社の研究を批判したりしている。誰と誰が見方で、誰が敵なのか?どこが優れているのか?ビミョーです。
この感想は邪魔なだけなのに、半笑いで読んでしまう。
このままだと、面白かったー!という小説を読んだ後の満足感だけしか残らなくなる。
マズイ!引越のときに見つけてしまったアルバムくらいマズイ。

~このあたりから本格的に焦り始める。~
これはオフィスに戻って、全部を読んでメモに書き出しながらネット検索しながら解読するしかない!
結局、わからないところがわかるまで翌月曜の朝5時までかかった。

そこからスグに着替えて、新幹線に乗って名古屋駅で乗り換え、名鉄で最寄り駅からバスに乗り換え、守衛さんとセキュリティを通過して、9時30分着。

カーク船長が登場しそうな意味深な自動ドアを通り抜け、会議室へ。
名刺を交換して、説明の前置きを聞き始めて5分たったときに、論文を拝読しまして理解できている範囲がココまで、曖昧な範囲がココ以降ですとお伝えすると、笑顔で「なーんだ…では、御社にお願いします。よろしく。」と一発OK! プレゼンもしていないのに…。わからないトコばっかりなのに…。それから今後のザックリしたスケジュールを打合せして研究所を後にしたのが10時20分。約50分の面談でした。

こういう決まり方ってアリなんだよなーと、シミジミしながら帰途へ。
わかったつもりで、わかったふうの顔をしなくて良かったーー。
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